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後絶たぬ有害獣被害

山本よしかず からのメッセージ

 イノシシやシカなどの有害鳥獣による被害が後を絶ちません。県がまとめたところによりますと、昨年度の県内の農作物被害は前の年度よりさらに約1千万円増え、過去5年間で最高の3億9256万円にもなりました。外来動物の被害も加わり、このままではさらに被害が増大することが予想されます。適切な対策が求められています。

 

 イノシシの被害は県内市町村の半数の27市町に及ぶそうです。もともと県南部で被害が目立っていましたが、昨年度は香取市や匝瑳市でも被害が確認されるなど、生息場所の北上が推測されています。

 

 そもそも、県内では1973年から85年までの13年間、イノシシ捕獲の記録がなく、絶滅したと考えられていました。それが、80年代半ばから再び捕獲され始めました。何者かが狩猟の対象獣とするため、他県から雌雄のイノシシを持ってきて山に放ったとみられています。釣りを楽しむために外来種のブラックバスやブルーギルを全国の湖沼に放流したのと同じです。決して許されない行為です。

 

 外来獣による被害も増加しています。北アメリカ原産でペット用として飼われていたのが逃げ出したり、飼いきれなくなって放たれたものが増殖したアライグマ、台湾や中国に生息する小型のシカで、閉園した観光施設から逃げ出し、山野で繁殖しているキョンは過去最高の捕獲数を記録しました。毛皮用として国内に持ち込まれ、やがて野生化したハクビシンによる被害も問題になっています。

 

 市町村が行うイノシシ、シカ、ハクビシン、アライグマなどの駆除費用に県が半額補助したり、イノシシの侵入を防ぐ防護柵も151㌔㍍に渡って設置されましたが、被害を減少させるまでに至っていません。

 

 そんな中、県はイノシシやシカの肉を料理に使用するジビエ料理の普及に乗り出しました。希望する店にジビエ料理の講習会を行い、ジビエの土産品開発にもあたっています。「房総ジビエ」を提供する店が増えることでイノシシやシカの肉の需要が増えれば、狩猟によって生息数が減少するのではと期待されています。

 

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