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スポーツ指導から暴力排除を

山本よしかず からのメッセージ

 さまざまなスポーツ団体で指導者による暴力行為やパワーハラスメントが相次いで明るみに出ています。スポーツ指導に名を借りて、暴力や嫌がらせで若者を支配しようというのは虐待でしかありません。スポーツ指導の現場から暴力やパワーハラスメントを追放しなければなりません。

 

 ショッキングだったのは体操の宮川紗江選手が速水佑斗コーチから平手打ちで殴られているシーンでした。練習場で宮川選手が速水コーチから体が吹き飛ぶほど強烈に両方の頬をビンタされている動画がテレビで放映されました。宮川選手は「コーチと信頼関係があり、問題がない」としましたが、事は二人だけの問題にとどまらないのです。練習場に居合わせた他の選手は恐怖を覚えるでしょうし、暴力を交えた指導が是認される恐れもあるのです。

 

 これだけの暴力を受けながら、一貫して速水コーチを擁護する宮川選手の気持ちが理解できないと、この問題を報じるテレビのキャスターが発言していました。暴力指導が明るみに出て解任された日体大の駅伝コーチが前任の高校監督を暴力問題で解任された際に、選手の父兄などから監督復帰を望む署名、嘆願書が提出されたといいます。「監督が泣きながら殴ってくれたおかげで試合に勝てた」などと、暴力による指導を是認するスポーツ選手も少なくありません。

 

 暴力指導の被害者である選手が加害者の監督・コーチをかばうことについて、ストックホルム症候群を上げるコメンテーターもいました。スウェーデンのストックホルムで強盗が銀行に立てこもった際、人質が強盗を擁護する行動をとったところから名付けられた心理的行動です。自分の生死が相手に握られているという極限の精神状態に陥っている際に優しい言葉かけられたりすると、善悪の判断基準が壊れ、自分の生死を握る相手に好感や好意を抱くというものです。

 

 ただ、どんな理由があれ、スポーツの指導に暴力は絶対に許されない行為です。2012年12月、大阪市立桜宮高校のバスケット部生徒が顧問の教諭に体罰をうけ自殺したことをきっかけに、スポーツ指導の現場での暴力にメスが入れられ、全国で体罰防止への取り組みが進みました。それにもかかわらず、女子体操や女子柔道などの日本を代表する選手を養成する現場で暴力がまかり通っていたことに愕然とします。

 

 日本体育協会や全国高等学校体育連盟などが連名で出した「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」ではスポーツを「人類が生み出した貴重な文化。自発的な運動の楽しみを基調にし、喜びを分かち合い、感動を共有し、絆を深めることを可能にする」として、「暴力行為はフェアプレーの精神やヒューマニティーの尊重を根幹にするスポーツの価値と相いれないもの」(いずれも要約)としています。

 

 選手の資質を合理的な方法で伸ばすアメリカなどの諸外国の選手育成では暴力は無縁のものだそうです。今こそ「スポーツに体罰はつきもの」という考えを我が国のスポーツ指導の現場から払拭するためには、現場の指導者が今まで培ってきた知識や技術を各選手の技術力などに応じて理論的に指導できるよう指導方針を再認識することが必要です。また、指導者に対する周囲の圧力が指導力のない指導者にプレッシャーを与え、間違った指導に向かわせる可能性も有ります。お互いが協力し合って、良い指導者と良い選手を育てていきましょう。

 

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