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海をプラスチックごみ汚染から防ごう

山本よしかず からのメッセージ

 我々の生活に欠かせないプラスチック製品がリサイクルや不燃物として処理せずに、気軽にポイ捨てしたものがやがて、海に漂うプラスチックごみ「海洋プラスチックごみ」となり、その対策が世界的な課題になっています。6月に大阪市で開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議でもこの問題が討議されました。採択されたG20大阪宣言に、2025年までにプラスチックごみによる新たな海洋汚染をゼロにする削減目標が盛り込まれ、世界各国が協力してプラスチックごみによる海洋汚染防止に乗り出しました。

 

 以前、プラスチックストローが鼻に詰まったウミガメのショッキングな映像がテレビで放映されたのを記憶している人も多いと思います。これはほんの一例で、ビニールやプラスチック片を餌と間違えて食べた数多くのウミガメや海鳥、クジラが腸閉塞で死んだりしています。さらに問題になっているのが、海に流れ出たプラスチックごみが紫外線や波の力で細かくなったプラスチックゴミです。マイクロプラスチックと呼ばれる微細なプラスチックごみが魚の体内に蓄積され、この魚を食する人体にも影響が懸念されています。

 

 今、海に年間、800万㌧(スカイツリー約222期分)ものプラスチックごみが流れ込み、既に1億5000万㌧ものプラスチックごみが海洋に漂っていると推測されています。2025年には海のプラスチックごみが海に生息するすべての魚の重さを上回るとさえ言われているのです。海をこれ以上、プラスチックごみで汚染させることはなんとしても防がなければなりません。

 

 プラスチックごみを削減するために、プラスチック資源循環戦略を打ち出した環境省は3Rを戦略の柱に据えています。3Rとは製品を作るときに使う資源の量を少なくしたり、廃棄物の発生を少なくする「リデュース」、製品などを繰り返し使用する「リユース」、廃棄物を原材料やエネルギー源として利用する「リサイクル」の3つです。3Rに取り組む企業も増えてきて、おにぎりの包装に植物由来のプラスチックをコンビニチェーンが導入、飲食店で紙ストローを採用、ペットボトルにリサイクル樹脂100%の商品を採用などの取り組みが話題になりました。

 

 海洋汚染問題に取り組む自治体も増えています。鎌ケ谷市では「一人ひとりが身近な問題としてとらえ、一人ひとりができることから取り組んでいく必要があります」として、海洋プラスチックごみの減少に寄与するための「プラごみ減量の取り組み指針」を策定しました。指針では「マイバッグやマイボトルを持参、使い捨てフォークやスプーンなどの使用を控えるなどして、ゴミになるものはもらわない、使わない」、「ごみのポイ捨て禁止」などを市民に呼びかけています。

 

 生命のゆりかごと言われる海を汚染から防ぎ、後世に引き継ぐのは我々の使命です。マイバッグを持ち、レジ袋を使わない、ポイ捨て禁止など簡単なことがプラスチックごみによる海洋汚染防止につながるのです。海洋汚染防止が我々の食生活の安全にもつながるとともに、自然環境の改善の大切さを自覚してプラスチックごみの減量を実現しようではありませんか。

 

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