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台風15号被害、十分な検証を

山本よしかず からのメッセージ

 この度の台風15号で被災された方々にお見舞い申し上げます。開会中の9月県議会で今回の台風災害を検証し、災害に強い県土づくりを目指します。

 

 過去最強クラスの勢力で9日に千葉市に上陸した台風15号は県土に甚大な被害をもたらしました。瞬間風速毎秒40㍍を超えた強風は民家を吹き飛ばし、館山市など県南部を中心に24日現在で全壊101棟など1万2906棟が損壊しました。この他、農業ハウスなどが強風でつぶれるなどして20日現在で316.1億円の被害を被りました。民家の被害、農業、水産業などの経済被害はこれから調査が進むにつれて増えるものと見られています。森田知事は国の支援制度の対象外である一部損壊家屋について、修理費用などを支援する考えを明らかにしました。被災県民に十分な支援の手を差し伸べていただきたいと思います。

 

 強風は送電鉄塔や電柱を倒し、さらに倒れた樹木が電線を切断するなどして広範な地域で停電が発生、最大64万戸が電気のない生活を余儀なくされました。浄水場のモーターが動かず、断水も発生しました。電気や水道が絶たれ、屋根が吹き飛ばされた家で過ごさなければならなかった人々はさぞ心細かったことでしょう。

 

 停電の復旧にあたった送配電会社の復旧想定の甘さも問題になりました。当初は数日後とされた復旧見通しでしたが、その後、修正が相次ぎ、結局、「道路陥没などで作業が長期化する見込みの一部地域を除いてほぼ復旧」と同社が発表したのは、15日後の24日でした。倒木の除去に手間取ったのがその理由らしいのですが、不便な生活を余儀なくされていた住民の復旧への期待はそのたびに裏切られました。復旧見通しが大幅に変更されたことについて、経済産業省が今後、検証を行うそうです。

 

 そもそも、台風による送電システムの損傷は想定できたはずです。昨年9月には九州に最接近した台風21号によって九州や中国地方で大規模停電が発生しました。先例からわずか1年、同じような大停電に県民が苦しみました。強風を伴う台風への電力会社の備えはどうだったのでしょうか。復旧への対応を含めて検証が必要です。

 鉄道がストップして陸の孤島と化した成田空港、停電による情報の枯渇、市町村と県との間の連絡途絶など今回の台風襲来で発生したトラブルも数多くありました。災害に強い県土づくりのためには、それらについても原因と対策を議論し、改善への道筋をつける必要があります。

 

 八街市においては、停電軒数が最大3万2200軒で全面復旧は15日後の24日でした。当初の数日間、電車が止まり通勤・通学に支障をきたしたことや、照明が使えないことから学校が数日休校となるほか、会社員の皆様は復旧作業に追われ休暇を取る方も多かったとうかがいました。また、飲食店やコンビニ店も営業ができない状況が数日続きました。

 

 このように不便な生活を余儀なくした要因ともなった倒木処理に時間を要しましたが、ボランティアの皆様を含め関係者のご尽力に感謝申し上げます。

 

 次に、農作物などの被害では特産の落花生や人参・トマトなどに加え、ビニールハウスの全壊はじめ、牛舎、鶏舎などの被害総額は、58億7658万円と聞いていますが最終的にはこの額を超える被害額になると考えられます。

 

 この他に公共施設や個人住宅などの屋根の被害、断水、ブロックやフェンスが倒れるなどの被害を受けましたが、いち早く支援物資を届けていただけた皆様、有志ボランティアの皆様による復旧作業、自衛隊の支援体制に対して感謝申し上げます。

 

 八街市内の高齢男性によると今までに経験したことがない災害と話しておられました。この経験を活かすために、災害に備えて普段から個人・地域・行政が改めて考えなければいけないと感じました。

 

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