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先生の確保に全力を

山本よしかずからのメッセージ

 公立学校の先生が不足していて、授業がピンチです。今年1月に文部科学省が発表した全国調査結果によりますと、昨年5月1日時点で、全国の公立小中学校や高校などで合わせて2065人の先生が不足していたそうです。

 千葉県も例外ではなく、小中学校合わせて124人の先生が県教育委員会の計画より足りず、中でも小学校は84校で計91人の先生が不足していて、不足校、不足数とも全国トップとなってしまいました。

 先生が不足して、クラス担任が足りない学校では、校長や副校長、教頭、本来は担任を持たない教務主任が担任を受け持ったり、教員免許を持っていなくても教えることができる特例免許の「助教諭免許」制度を利用して先生を採用するなどで急場をしのいでいるそうです。

 先生が足りなくなった原因として、育児休業の取得や、病気による休職、特別支援学級の増加などが、想定を上回ったことが挙げられています。休業・休職した先生の代わりに、1年ごとの採用の臨時教員が教壇に立つのですが、その臨時教員のなり手が最近、減ってきて、先生不足が表面化しました。

 先生を志す若い人が減ってきていることも先生不足の原因の一つに挙げられています。2020年度に採用された全国の公立小学校教員の採用倍率は2・7倍で、それまでの最低になりました。2022年度の千葉県(千葉市)の小学校の出願倍率は2.0の低倍率でした。

 先生の仕事量は膨大で、長時間労働が常態化しています。文部科学省による「教員勤務実態調査」(2016年)では、公立小学校で3割、中学校で6割の教師が過労死ラインである月80時間を超える時間外労働を行っているということです。このようなことから教職の人気が低下し、教員養成大学に入学しながらも、教員の道に進まない学生が増えているそうです。加えて、教員免許を持っていても臨時教員や非常勤講師に登録しない人が増え、休業・休職する先生たちの代役が不足する事態になりました。

 県教育委員会では、再任用を希望せず退職した先生にも協力を求めているのを初め、高校生や大学生に対して教員の魅力や千葉県の魅力、教員採用選考の情報などを伝える出前講座の開催、県外での採用選考の実施や出願手続きの電子化などを行って先生の確保に努めているとのことですが、一朝一夕にはいかないようです。

 学校の担任先生は多感な小中高校生に人生のアドバイスを送る大切な存在です。おざなりな対応で済ませないよう、先生の確保に全力を挙げていただきたいと思います。

 

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