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メディカルツーリズムの振興を

◆メディカルツーリズムの振興を◆
 
 メディカルツーリズム(医療観光)が我が国でも本格化することになりました。政府は平成22年6月に閣議決定された「新成長戦略」の施策として、国際医療交流(医療機関への外国人の受け入れ)が位置づけられたことを踏まえ、今夏から外国人が安心して受診できる施設や環境を整えた病院を専門家が審査し、認証する「外国人患者受け入れに資する医療機関の認証制度」をスタートさせます。
 
   メディカルツーリズムとは、読んで字の如く、医療とドッキングした観光のことです。外国へ観光がてら、訪問国で医療を受けようというもので、その性格上、医療は健康診断が主となります。タイでは平成21年におよそ127万人のメディカルツーリズム客が訪れ、9億4300ドルもの収益を上げました。シンガポールやお隣の韓国も誘客に力を入れています。世界でのメディカルツーリズム客は600万人以上と推計され、市場規模は1000億ドルへの成長が見込まれています。
 
  「日本でのメディカルツーリズムの市場規模は5500億円」(日本政策投資銀行)と試算されているところから、国内では大阪市や徳島県が県を挙げてメディカルツーリズムに取り組み、熊本県や長崎県は旅行会社とタイアップし、県内観光地と最新のがん検診を組み合わせたツアーを企画しました。県内の医療機関でも、鴨川市の亀田総合病院のように、外国人の診療体制を整え、積極的に外国からの患者を受け入れている病院があります。
 
   本県は成田空港のお膝元であり、設備が整った病院が県内に数多くあります。季節を問わない通年観光の振興のためにも、官民一体となってメディカルツーリズムの振興を図るべきです。しかしながら、県ぐるみ推進してきた他の県・市と比べると、今ひとつ、千葉県の対応は遅れ気味です。
 
   一昨年の9月定例県議会一般質問で、自民党の同僚議員からメディカルツーリズム振興への質問がされ、担当部長は「検討する必要がある」と答弁しましたが、残念ながらこれといった具体的な動きはないままでした。
 
   金持ちの外国人の診療が優先され、日本人の診療が後回しされる恐れがあると危惧する声もありますが、一方では医療機関の設備近代化につながるなどといった肯定的な意見も多く聞かれます。空の玄関「成田空港」を持つ我が県にとっては、やはり、メディカルツーリズムへの他県の取り組みを指をくわえて見ているわけにはいきません。積極的な体制整備が望まれています。
 
 
 
 
 
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