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食料自給率

山本よしかず からのメッセージ

 今年も暑い夏でしたが、千葉市では統計開始以来最高の38.5度を記録するなど、立っているだけで頭がふらつく位の猛暑が続きました。昔は暑いといっても33度前後で、30度を超える日は何日も無かったような記憶があります。いつのまにか、焼けつくような暑さが夏の定番となってしまいました。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。

 

 このほど、農林水産省の発表によると平成22年から5年連続で、我が国の食料自給率がカロリーベースで39%だったそうですが、主要先進国の中で最も低い食料自給率となっています。

 

 政府はこれまで50%としていた自給率目標を45%に引き下げましたが、これをも大きく割り込んだ結果になりました。1960年には、79%だった我が国の食料自給率は約半世紀で半減したことになります。

 

 カロリーベースの食料自給率とは、国民1人が1日にとった国産食料をカロリーに換算し、それを1人・1日あたりの平均摂取熱量2415キロカロリーで割ったものです。つまり、昨年度は国民一人当たりの平均カロリー摂取量の39%を国産の食料で補い、残りの61%は輸入食料でとったということになります。内訳では小麦と大豆は作付け面積が増え、天候にも恵まれて収穫量が増加しましたが、コメの1人あたりの年間消費量が前年より1.7キロ減の55.2キロと過去最低でした。

 

 それでは、なぜ国や政府は食料自給率に一喜一憂するのでしょうか。それは、我が国の安全保障に大きく関係するからです。日本は世界最大の食料輸入国で、多くの農産物を外国からの輸入に頼っています。それらの国々が異常気象などによって農作物の不作や国内事情などの理由で輸出をストップすれば、日本国民の食料事情はすぐに悪化してしまいます。

 

 世界の人口は、2000年には約61億人でしたが、2050年には約96億人までに達すると推測されています。一方、食糧生産は伸び悩んでいて、近い将来、食料争奪戦が起きるとも言われています。TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)に加入すれば、食料自給率は13%まで下がるという農林水産省の試算も明らかにされています。

 

 そこで、今年の3月に閣議決定された新たな食料・農業・農村基本計画では、食料の安定的な供給の基本となる国内の農業生産の増大に向けて、平成37年の食料自給率をカロリーベースで45%に、生産額ベースで73%に高める目標が掲げられ、その実現に向けた施策を推進することとされました。

 

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