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増加する不登校児童・生徒

山本よしかず からのメッセージ

 昨年度、不登校の県内小中学生が5237人にのぼったことが県の調査で分かりました。

 

 前の年度より168人増えましたが、不登校の理由は様々で、一人ひとりのケースに対応し、「心の居場所」を用意してやる施策が教育現場に求められています。

 

 調査によりますと、病気や経済的理由以外で年間30日以上欠席した県内の小学生は前年度より74人増の1160人、中学生は94人増の4077人でした。不登校の小中学生の増加は全国的な傾向で、昨年度は3285人増えて12万2902人でした。2年連続の増加だということです。増加の原因として、親が子どもを無理に登校させずにフリースクールに通学させるなどの選択肢が広がっていることも考えられています。

 

 不登校の児童・生徒を支援する団体によりますと、不登校には7つのタイプがあるそうです。人間関係が原因で登校できなくなる「学校生活に起因する型」、内面的に未成熟で、我慢する気持ちが育っていない「甘え・依存型」、登校しないことへの罪悪感が少ない「無気力型」、几帳面な性格でこだわりが強い「良い子息切れ型」などです。

 

 具体的には、学校でのいじめに起因する不登校が多く、クラスメートから無視された、悪口を言われたということがきっかけで学校に行かなくなる児童・生徒が多いと言います。家庭の問題に起因するケースとしては、母親が教育ママだったり、父親が仕事ばかりで子どもに興味が無い、あるいは両親が不仲という事例が挙げられています。

 

 不登校になる前に、前兆期と呼ばれる時期があり、学校帰りの様子がおかしかったり、朝になると顔色が悪かったりと、今まで無かった変化が見られるということです。このようなサインが見られたら、子どもとじっくりと話し合い、子どもの気持ちに寄り添うことが大切とアドバイスされています。

 

 不登校が続くと、やがて引きこもりになってしまう恐れがあります。不登校にさせない、あるいは不登校児童・生徒を再び通学させる態勢づくりに力を注ぐことが、学校に求められています。

 

 文部科学省は「不登校問題に関する調査研究協力者会議」を設置し、今年3月に報告を取りまとめました。報告書では学校の対応としてまず、「不登校を出さない魅力ある学校づくり」を掲げています。教育関係者の皆様に、不登校問題に全力で取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。

 

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