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教員不足深刻化

山本よしかず からのメッセージ

 小中学校の教員が不足しているそうです。教員の大量退職に補充が間に合わないなどが原因らしいのですが、小中学校は知能を伸ばしていくための基盤を養う重要な教育の場です。おざなりの授業だったり、ましては授業が実施できないなどの事態はなんとしても避けなければなりません。根本的な教員不足の解消が望まれます。

 

 共同通信社が各都道府県と政令市の教育委員会に聞き取り調査をした結果、全国で教員が定数に対し少なくとも600人も不足していたそうです。10人以上不足していると回答したのは15都道府県市でしたが、公表自治体の中で最悪だったのは千葉県で、なんと105人も不足しているということでした。政令市である千葉市は「足りている」という回答でした。

 

 団塊世代の子弟の大量入学に備えるため、教員大量採用の時代がありました。その後、児童・生徒数は減少の一途をたどり、教員採用数も控えられるようになりました。体育教師などは昭和48年に本県で開催された若潮国体での活躍を期待して目いっぱい採用されたため、その後の採用は毎年、ごく少人数にとどまって、本来なら本部で大会運営にあたるベテラン体育教師がグラウンドの白線を引くという時代が続きました。

 

 教師不足が小中学校で問題になってきたのは、この時代の大量採用された教師が定年に達してからでした。不足し始めた教員数を非正規教員で補ってきて、ある調査によると、非正規教員の割合は全公立小中学校教員の7%、約4万人に上ったそうです。それも、過重労働を強いられる教員の仕事がブラックと見られるようになり、景気が上向くと同時に人材が民間企業に流れるようになって、非正規教員の補てんにも事欠くようになってきたのが教員不足の直接の原因と言われています。

 

 少子化で児童・生徒が減っている一方で、少人数教育が行われるようになり、さらに特別支援学級の増加傾向などでクラス数の減少が緩やかになっていのも原因の一つとされています。

 

 教頭がクラス担任を受け持ったり、他の教員が授業を担当するなどしてやりくりしている学校も多く、教師の過重労働に拍車をかけているという報告もされています。教育に携わる教員には相応の資質が求められます。教員が不足しているからといって、やみくもに採用するわけにはいきません。「綱渡り状態」の現状を改善し、優秀な教員を確保するためには教員の待遇改善が必要になっています。

 

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