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こども食堂、地域の交流拠点に

山本よしかず からのメッセージ

 子どもに無料または低額で食事を提供する「子ども食堂」がこの1年間で約1.6倍増えて3700カ所を越えたそうです。工夫を凝らして子ども食堂を運営しているボランティアの皆さんに頭が下がります。

 

 貧困家庭で満足に食事をとれなかったり、親の帰宅が遅い子どもに食事を提供する「子ども食堂」は2012年、東京都大田区の八百屋店主、近藤博子さんが立ち上げたのを皮切りに全国に広がりました。千葉県内にも、県ホームページの一覧に掲載されているだけで29カ所あります。小学校区の数に対する食堂数を示す「充足率」は全国平均17.3%で、小学校6校に1カ所の子ども食堂がある計算になります。ちなみに充足率最高は沖縄県の60.5%だそうです。

 

 家が貧しかったり、親の帰宅が遅かったりして、栄養のバランスがある食事をとれていない子どもに、手作りの食事を提供している「子ども食堂」では、有料で大人にも食事が提供されていて、世代を超えた交流の場にもなっています。

 

 今、子どもの貧困が問題になっています。我が国の17歳以下の子どもの16.3%が貧困状態にあるとされています。実に6人に1人が貧困状態にある計算で、毎年、過去最高を更新し続けています。このような状況の中、会費を出し合って食材を調達し、温かい食事を提供し続けているボランティアの皆様のご苦労は察して余りあります。

 

 貧困の子どものためにと全国に広まった「子ども食堂」ですが、最近は徐々に、性格を変えようとしています。 NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」によりますと、各地の運営者が「貧困家庭の子どもだけが通う施設」とのイメージを払拭しようと努力をしているそうです。その一環として、食事と遊びを組み合わせ、地域の交流拠点であることをPRするプロジェクト「食べる・遊ぶ・笑うこども食堂」を全国で開催する計画を立てています。

 

 八街市では、イメージを払拭する意味で貧困家庭等に限定せずに利用できる食堂として月に数回程度活動していると聞いています。なお、大人の方も有料で食事をとることができるとともに、親子で地域の交流の場として活用できていますので、これらの活動が助け合いの精神で広がることを願います。

 

 急増している「子ども食堂」ですが、万一に備えた保険料の支払いなどに苦労しているところも多いようです。住民や自治体の理解と協力で、「子ども食堂」の輪が広がるよう願っています。

 

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