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東京2020大会延期の波紋

山本よしかず からのメッセージ

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で1年程度、延期されることになりました。本来ならば、開幕まであと4カ月余り。それまでにこの新型コロナウイルス禍が完全に収束するとは思えず、選手や観客の健康を考えると止むを得ない判断だったと思います。

 

 ただ、開催が1年先送りになることで、様々な問題が持ち上がってきています。出場を目指していた選手のコンデション調整はもちろんですが、ボランティアの確保や宿泊施設の用意 販売したチケットの取り扱いなど最初からやり直さなければならない課題が山積みです。

 

 中でも重くのしかかってくるのが会場確保の問題です。本県ではレスリングやテコンドーの会場として幕張メッセが使われますが、延期された1年後にすんなりと使用できるものではありません。来年に延期された東京オリンピック・パラリンピック実施予想期間には、既に企業や団体などの使用申し込みが入っており、これをどうするかは大きな問題です。

 

 延期に理解を示した森田知事のインタビューによると、今夏の東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせ、370社もの顧客に幕張メッセの使用を見合わせてもらったそうです。それがどんでん返しで白紙になってしまい、変わって、来年の会場確保の問題が生じました。来年のその期間に幕張メッセの使用を予定していた企業・団体に頭を下げ、会場を空けてくれるよう頼むしかありませんが、世界に商品を売り込むための幕張メッセでの展示会中止が死活問題の企業も少なくないでしょう。

 

 もう一つ、延期に伴う開催費用の増加も予想されます。3月13日まで開かれていた2月定例県議会の予算委員会で質問に立ち、東京オリンピック・パラリンピックの開催に係る県関係の総経費を県の担当者に質問しました。答弁によりますと、幕張メッセの大改修、聖火リレー、事前キャンプ誘致などの経費として168億円、それに予備費を加えて総額180億円と見込んでいるとのことでした。

 

 今回決まった約1年間の開催延期で、経費がかさむことが予想されますが、事業の効率化を図るなどで支出を抑えて、当初見込まれた総経費内でオリンピック・パラリンピックを迎え、そして大きな感動を残して無事に終了できるように県当局に要望していきたいと思っています。

 

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