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御嶽山噴火

◆御嶽山噴火◆

 

 長野県の御嶽山が噴火、多くの人命が失われました。亡くなられた方々に哀悼の意を表します。

   あらためて自然災害の恐ろしさを思い知らされた惨事でした。消防隊員、警察官、自衛隊員の危険を顧みない救出作業が行われ、けが人が救出されましたが、それと同時に心肺停止の登山者も大勢、ふもとに運ばれ、死亡と診断されました。そのほとんどが、噴石が当たった事による損傷死で、犠牲者は雲仙普賢岳の火砕流による43人を上回り、戦後最悪の火山災害になりました。

   御嶽山は標高3067メートル、国内では富士山に次いで標高の高い山で、雄大な姿が日本百名山にも選ばれ、古くから民謡にも歌われて親しまれていました。それがいきなり牙をむきました。紅葉さかりの週末の一日、登山を楽しんでいた人々は、突然の噴火にどれほど恐怖にさいなまれたことでしょう。

   噴火することが事前に分かっていたなら、これほどの犠牲者を出さずに済んだと思うのですが、噴火予知はかなり難しいらしいのです。実際、噴火直前までの御嶽山の噴火警戒レベルは平常とされる1で、登山客はほとんど無警戒でした。

   日本は火山国で、概ね1万年以内に噴火したことがある火山、あるいは現在、盛んに噴気を上げている火山である活火山は110あり、これは世界の活火山の7%にもなるのです。これらの活火山が次に噴火するのは何十年、何百年、あるいは何千年後になるのか分からず、噴火予知に十分な予算を分配しづらいというのも、噴火予知が難しい一つの理由らしいのです。

   それでも、2000年3月の北海道有珠山噴火の際には事前に気象庁が緊急火山情報を出し、周辺の町の住民1万人余りが避難したため、犠牲者が1人も出なかったという例もあります。河口湖の水位が急激に低下したり、大沢崩れが拡大するなど、休火山である富士山も噴火を思わせる不気味な現象が表れています。今回の御嶽山噴火を教訓にして噴火予知体制の一層の充実をお願いしたいと思います。

 
 
 

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