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イノシシの農産物被害を防げ!

◆イノシシの農産物被害を防げ!◆
 
 房総の中山間地域でイノシシによる農産物被害が急増しています。平成22年度は被害額が1億7700万円にも達し、野生鳥獣による農産物被害額の約半分を占めるまでになりました。あまりの被害に耕作地を放棄する農家まで現れています。 
 
   千葉県内では1973年から1985年にかけて、イノシシは一匹も捕獲されておらず、昔からのイノシシはこの時点で絶滅したと見られています。その後、狩猟用にイノシシやイノシシとブタを掛け合わせたイノブタを放したという記録があり、現在、千葉県の山野に出没するイノシシはこのときの子孫である可能性が強いと見られています。 
 
   イノシシは主に夜間、畑に出没し、丈夫な鼻で畑をほじくり返して農作物を食べてしまいます。農家は畑を柵で囲むなどの自衛策を取っているのですが、頑丈な柵さえ壊されてしまう始末です。抜本的な対策は、狩猟で除去するしかないのですが、これまでは被害があってから捕獲許可を出すというのが県の方針でした。 
 
   それが、今年度から被害が発生していなくても捕獲許可が出されることになりました。2月県議会一般質問での私の質問に、県の担当者が明らかにしました。市町村に提供しているイノシシの生息情報をもとに、被害の未然防止のため被害発生前の捕獲を許可するというものです。このほか、現在、被害が確認されていない市町村でも、捕獲経費などの財政支援を受けられるようにし、農作物被害の防止にあたることにしています。 
 
   イノシシによる農作物被害があってから捕獲許可をだすという、いわば泥縄的なシステムから、被害が出る前に積極的に対策を施す方式への転換です。中山間地域での農業は里山の景観を保つ上で重要な役割を担っています。その里山での農業を崩壊させかねないイノシシの被害防止のために、これからも積極的な施策を採ってもらいたいと思います。
 
 
 
 
 
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